ユニヴァーサル・ピクチャーズのシネマスコープ第1作。十五世紀のイギリスを舞台とした波瀾に富む若き騎士の成長を描く。
シネマスコープ向けの題材をルドルフ・マテ監督が巧みに演出した。トニー・カーティスとジャネット・リーの夫婦は二度目の共演。

【ストーリー】
十五世紀の初め、英国王ヘンリー4世は年老いて健康が優れず、オルバン伯爵（デヴィッド・ファーラー）が長を務める議会が国を統治していた。
だが、王の信任の厚いオルバンこそ実は王位を狙う逆臣で、長年にわたって自分に不利な正義の士を斥け、
また皇太子が酒浸りの無能者であることを幸い密かに陰謀を巡らせていた。同じ頃クリスビデイル村の老農夫ディコンの家に
マイルズ（トニー・カーティス）とメグ（バーバラ・ラッシュ）の兄妹が住んでいた。ディコンが仕えたフォルウォス卿が、
オルバンのために謀叛人の罪を着せられ、一家全員処刑されたとき、まだ幼い兄弟たちを密かに引き取って養育していたのだった。
村の近くへ狩猟にやって来たオルバン一行と争いを起こしたマイルズはメグを連れて村を離れ、
亡き父の親友マクワース卿（ハーバート・マーシャル）の城へ奉公にやってきた。そこでマイルズはマクワース卿の
一人娘アン（ジャネット・リー）に心奪われる。そしてメグはアンの侍女に、マイルズは騎士候補生になる。