iPhone 4から始まったアルミバンパー「CLEAVE」。この製品に対して様々な工夫や挑戦を続け、10年の歳月が過ぎました。機構設計は当初ネジでの固定に始まり、最近では工具不要のQuickLock（クイックロック）システムを完成させて多くの製品に採用されました。

材料についても、様々な種類のアルミニウム合金の他、カーボンファイバー、ジュラルミン、ステンレス、チタニウム合金、そしてG10と多くの種類を使いました。同時にそれぞれの素材に適した表面処理にも挑戦し、アルマイト（溶酸化処理）を始め、PVD処理、粉体塗装、アクリル成形品との融合など、最終的に商品化できなかったものを含めると多くの物があります。

デザインが大幅に変わったiPhone 12シリーズは、Deffが初めてアルミバンパーを発売したiPhone 4に似たフラットなデザインに似ています。それだけにDeffとしても基本に立ち返り、機能美と言える三次元デザインを突き詰めました。

各パーツを固定するためのネジやネジ穴の無い極めてスムーズな表面に、持ちやすさとアクセントとなるDiamond Carving（菱形の彫刻）を施しました。機構部品を排除することで可能な限り薄く軽く仕上げています。もちろん液晶面やカメラ、ポート類など重要な部分はしっかりと保護をするバンパーとしての役目を果たしています。

ネジも工具も一切不要のQuickLock 2（クイックロックツー：実用新案申請済）は、バンパーと一体成形された特殊形状のフックパーツと精密に調整されたカバーパーツを組み合わせて固定します。iPhoneに装着をするとガタ付きもなくピッタリと固定される、これらの超精密加工は台湾の協力工場でブラッシュアップされ、見事なまでの一体感を実現しています。

アルミニウム合金は、これまでのA6063よりもさらに高強度で耐食性に優れたA6061を採用しました。A6063よりも約40%引張強さと耐力がアップしています。全体切削加工に加え、表面の彫刻も全て高度なCNC切削加工により施されています。表面は強靱なカラーアルマイト処理で仕上げられています。

いずれのバンパーの内側には厚さ0.3mmのシリコンが組み込まれており、外部からの衝撃をiPhoneに直接伝えない構造になっています。