完璧なサウンドがもたらす、音楽を聴く喜び

■流体力学を応用したCFDポートを採用したUni-Qドライバーを搭載
きわめてクリアーでタイトな低音により、ディテールに富んだナチュラルサウンドをもたらします。

■「部屋のどこでも」Uni-Qサウンド
Qシリーズの根幹を成すのは、KEFの特許であるUni-Qドライバーです。バス/ミッドレンジコーンの音響芯にトゥイーターを配置する”点音源”思想の具現化であり、ディテールにわたり正確で美しく統合された3次元再生を実現。従来のスピーカーよりも部屋全体に均一に音が分散されます。Uni-Qの卓越した高域拡散性能は、ドームトゥイーター上に配置されたKEF独自の「タンジェリンウェーブガイド」で高められます。

■新しいエンクロージャー設計
さらなる高解像サウンドを求めて、新しいQシリーズ・ブックシェルフスピーカーでは、Uni-Qドライバーをフロントバッフルの中央に配置。不要な内部定在波を低減し、クリアーかつディテールにわたる表現力に磨きを掛けています。トゥイーターの背後の音を緩やかに減衰させるトゥイーターローディングチューブの追加で高域性能が大幅に改善されたほか、クロスオーバーに新しく採用した低歪のインダクターがクリアーな低音に寄与しています。

■流体力学によるポートデザイン
バスレフポートには、CFD（Computational Fluid Dynamics）設計を採用しています。前モデルのフロント配置からリア配置へ変更されたことで、ポートからの音漏れが減り、中音域がさらに明瞭となりました。


価格を超えた音質を誇るハイC/Pスピーカーの代表格

歴史ある英国ブランドであり、直近でも旺盛に製品開発を続けるKEFは、Hi-Fiサウンドの最先端を追求したスピーカーを幅広い価格レンジで展開。中でも本機は、高音質かつ圧倒的なコストパフォーマンスを特徴とする。

Q350の持ち味は、やはりUni-Qドライバーならではの、明瞭な中高域表現と明晰な定位感にある。音域を問わず発音のタイミングやスピード感が整えられており、まさに点音源ともいうべき明晰さなのだ。

ボーカルソースを再生すると、滑らかで温かみ溢れる歌声の表現が実に心地良い。クラシックなどのアコースティックソースも、演奏ステージを詳細かつピントの定まったクリアな視界で描き出しつつも、滑らかな聴き心地を忘れない。またそのボトムが豊かなキャラクターは、音量を絞っても低域不足を感じさせない。

本機はUni-Qドライバーならではのリアリティ溢れる精確な音響表現に加えて、快適な聴き心地が味わえる音質を備えたスピーカーである。サイズもコンパクトであり、ユーザーのライフスタイルへと自然に溶け込んでくれることだろう。

文：生形三郎

※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。
　低域部と高域部をひとつに組み合わせた同軸型ユニット「ユニQ」を打ち出すイギリスのKEFは、Q350でユニQの抜本的な改良、ボックスの新工夫などの効用を施した結果、大幅な音質向上を実現。
　明瞭な解像感、音進行の速さ、レンジ感の広さからクラシック、ジャズ、ポップなど音源の種類を選ばず、どのソースでも、その音楽的な感興を、澄み切ったクリヤーで、端正な音で再生してくれる。C/Pはひじょうに高く、どんなスピーカーを買ったらいい?と尋ねられたら、躊躇なく350を薦めている。鳴らしやすいスピーカーなので、組み合わせるアンプをあれこれ迷わずにも、低価格のAVアンプなどでも十分良い音が得られる。
　UAレコードの「小川理子バリュション」から1曲目の「Oh lady be good」。抒情タッチの前奏から一転してアップテンポになり、コキゲンなスウィングに。このスピーカーは、快活なリズム、躍動感、そして解像感を聴かせてくれる。音楽のエッセンスが、この小さなスピーカーに詰まっている。