優れた高域再生、明確な音像定位が得られる無垢マイクロリニア針を採用した上位モデル
通常価格 ¥40,091(税別)
JAN:4961310137571
発売日 2016/12/09
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■無垢マイクロリニア針を搭載した上位モデル
■軽量化を図るアルミニウムテーパーパイプカンチレバー
■発電効率を高めるパラトロイダルコイル
■クロストークを改善するセンターシールドプレート
■堅牢なダイキャストアルミニウム合金ハウジング
オーディオテクニカ独自方式のVMカートリッジが新ラインナップで登場した。新モデルは、針交換によって様々な音を楽しめるよう設計されているのも特徴だ。今回、「700シリーズ」3モデルの音をチェックした。
今回発売された3シリーズは、上位の700シリーズ、スタンダードの500シリーズ、そしてモノラル専用の600シリーズという位置付けで、それぞれに針先形状の異なるバリエーションが用意される。ステレオ仕様の製品群のなかでは各交換針の間に互換性があるので、複数の交換針を手元に用意し、好みやジャンルによって使い分けることもできる。
700シリーズはハウジングにダイキャストアルミ合金を使用し、高い剛性によって不要共振を低減する工夫を凝らしている。さらに、アルミテーパー製カンチレバーと高効率のパラトロイダル発電系を組み合わせるなど、VM型カートリッジの開発で培った技術を追い込み、音質改善策を徹底した。
そして今回のラインナップの場合、振動系と磁気回路の基本構造は共通だが、針先形状は最上位の「VM760SLC」が無垢特殊ラインコンタクト針、「VM750SH」が無垢シバタ針、「VM740ML」が無垢マイクロリニア針をそれぞれ採用し、絶妙な音質の違いを引き出している点が新しい。
VM740MLは700シリーズのスタンダードモデルとなる使いやすいカートリッジで、スタイラスには無垢マイクロリニア針を採用。針先形状をなめらかに仕上げたスタイラスならではのバランスの良い再生音を実現しており、ジャズやロックなどパルシブな低音の再生も得意とする。オールラウンドに対応するという意味では700シリーズ3機種のなかでは最右翼に位置する製品と言えそうだ。最上位機のようなワイドレンジ感やVM750SHが聴かせる力強さはないが、VM型ならではのセパレーションの高さ、付帯音の少ないニュートラルな音調に好感を持つ。
ヴォーカルは発音が鮮明で歌詞を聴き取りやすく、ギターと声のセパレーションも高い水準にある。左右のセパレーションも上位2機種とほぼ同等の水準を確保していて、VM型の長所を素直に聴き取れる。ピアノは楽器の音像が広がりすぎず、ステレオ音場の密度の高さ、低音部の重量感のる響きを忠実に再現。過剰な表現に傾くことなく豊かな情感を引き出す辻井伸行の巧みなコントロール能力をうかがうことができた。
文:山之内 正
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。