『ザ・デクライン』から7年。ペネロープ・スフィーリス監督がふたたびロサンゼルスの音楽シーンを切り取った≪西洋文明の衰退≫ドキュメンタリー第2弾。
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発売日 2016/09/14
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『ザ・デクライン』から7年。
ペネロープ・スフィーリス監督がふたたびロサンゼルスの音楽シーンを切り取った≪西洋文明の衰退≫ドキュメンタリー第2弾。
アメリカのハードコア/パンクの核となったLAの暴発間近な瞬間をとらえた前作の時代からロサンゼルスの音楽シーンは様変わりしていた。
ド派手な衣装と長髪を振り乱し、金と名声、セックスとドラッグを夢見る若者たち。
そこには真面目に音楽に打ち込む連中もいれば、パーティーアニマルと化す面々や挫折して消えていく連中もいる。
1988年にロサンゼルスでピークを迎えていた、華美な装飾に彩られた、グラムロックの流れも汲むヘヴィ・メタル=LAメタルが本作のテーマである。
当事者たちは70年代末から勃発したパンクロックはディスコに落ちぶれ、80年代の真のロックンロールはヘヴィ・メタルであると主張する。
POISONのメンバーは数百万枚のアルバムを売って成功を手にした秘訣を解説、AEROSMITHのスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーはドラッグ依存の過去を振り返り、成功を信じてデトロイトからLAに進出してきたバンドSEDUCEは希望に胸を膨らまして、若者たちはヘヴィ・メタルで如何にモテるかを語る。
スフィーリス監督はハードコア/パンクとは真逆のイデオロギーのもとに成り立つヘヴィ・メタルシーンを徹底した客観的視点で映像におさめる。
公開当時アメリカでは出演ミュージシャンの不満が爆発し物議を醸した。
特にあまりにも有名な映画の1シーンとなったW.A.S.P.のクリス・ホームズのインタビュー。
母親を隣に豪邸のプールに浮かびながら、冨と名声を得た後の孤独と悲哀、ドラッグとアルコール依存の悲惨さを泥酔状態で語る。
映画完成後はクリスは「観るんじゃねぇぞ!」と周囲に吼えた。
本作の特異性は、題材であるヘヴィ・メタルを美化することなく、ときに冷徹な視線で描写することだ。
鑑賞後メタルファンは感動と失望の両極端な感情を味わった。
しかし本作は被写体に擦り寄らないスタンスのためか、<音楽ドキュメンタリー>という世界においては最上級の評価を得ており、現代においても数々の媒体でTOPリストの上位に必ずランクインするという称賛を受けている。製作費は前作の約5倍となる50万ドル。
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