超解像度φ53mm“DEEP MOTION Hi-Res Audio DRIVER”搭載。ハイレゾリューションサウンドに到達した次世代の重低音再生
通常価格 ¥17,964(税別)
◆圧倒的な重低音再生を体現する専用ドライバー構造
重低音と超解像度のハイレゾ再生を両立させる大型の高磁束磁気回路を搭載。強化された磁力が大口径振動板の深く高レスポンスな振幅を導き、厚みのある低域表現からリニアリティに優れた精緻な中高域まで再生します。
◆エクストラエアフローベース・ベンティングシステム
振動板への負荷を軽減するステンレス素材の音響抵抗を配置。筐体内部の空気のバネ性を最適化し、低域出力の能率を格段に向上します。
◆制振デュアル・エンクロージャーデザイン
剛性の高い精密加工アルミニウム材を組み合わせた堅牢なデュアル・エンクロージャー構造を採用。抜群の制振設計により、ドライバー駆動から伝わる不要共振を徹底的に抑制し、歪みの少ない中高域を引き出します。
オーディオテクニカ“SOLID BASS”は、2009年のデビュー以来、重低音志向ヘッドホンの市場を切り拓いた人気シリーズとして高い評価を獲得している。そんな同シリーズから、新たに機構を見直し、“ハイレゾ対応”も果たした最上位ヘッドホン「ATH-WS1100」が登場した。
“重低音”と“ハイレゾ”、その2つを両立するために採用されたのが「DEEP MOTION Hi-Res Audio DRIVER」(ディープモーション・ハイレゾオーディオドライバー)と名付けられた大口径53mmユニットだ。高磁束磁気回路で大口径振動板を力強く駆動し、高レスポンスな振幅を実現。大口径のドライバーユニットで重低音の再生能力確保だけでなく、微細音への追従性も高めることで、中低域と高域までのレスポンスのよい再生、そして高解像を実現している。
さらに低音再生力を高めるため、SOLID BASSの特徴だったチャンバー(空気室)を使った機構を見直し、「EXTRA AIRFLOW-BASS VENTING SYSTEM」(エクストラエアフローベース・ベンティングシステム)と呼ばれる新たな構造を採用した。
ハウジングは制振デュアル・エンクロージャーデザインを採用。剛性の高い精密加工アルミニウム材を組み合わせ、ドライバー駆動から伝わる不要な共振を抑制し、歪みの少ない中高域のサウンドを引き出す設計だ。
また「ATH-WS1100」は快適に身につける装着感にも新機構が取り入れられている。イヤーパッドは、硬度の異なる2層のクッション材を使った「2レイヤード・イヤパッド」(PAT.P)構造。表面はソフトで装着性の高い素材、奥は硬めで耳とドライバーの間に一定の音響空間を作り出す素材を採用。装着感はもちろん、音質も高めるつくりとなっているのだ。
早速「ATH-WS1100」のサウンドを体験してみると、一聴して「音の良いヘッドホンだな」と素直に感じる。
Daft Punkの『Random Access Memories』でエレクトロミュージックを聴き込むと、非常に質感に優れた重低音再生を味わうことができる。これまでの”SOLID BASS”シリーズのエネルギッシュな低音とはまた違った、非常に締まりがあると同時に低音域まで見通しのいい低音なのだ。これは単なる量感重視の低音ではなく「情報量志向の低音再生」とでも表現したいサウンド。打ち込み系やクラブミュージックを聴き込むには最適だと言えるだろう。
本機の力を余すところなく実感できたのが、宇多田ヒカルの『Automatic』だ。勢いと情報量を備えたビートが打ち込まれる鋭さを出すと同時に、ボーカルの鮮明さ、空間めいっぱいに広がるコーラスの音場感といったハイレゾならではの情報量を味わうことができる。低域から高域まで気持ちよく描き出してくれるチューニングだ。
中高域の解像感も相当あるので、ポップスとの相性もいい。カーペンターズの『トップ・オブ・ザ・ワールド』のハイレゾ版を聴いても、歌声のセパレーションの明瞭さと声のニュアンスの機微、楽曲全体を見通せる表現力は、いわゆる“重低音志向ヘッドホン”ときいて想像する音とは天と地ほど違う素晴らしさだ。もちろんベースラインはタイトで、ポップス再生としてはベストと言えるだろう。
“重低音志向”と“ハイレゾ対応”は別ベクトルの音づくりが必要かと思いきや、「ATH-WS1100」は低音のみならず中高域の再現力も従来以上に引き上げた、会心作とも言える出来映え。従来からの”SOLID BASS”ファンにとどまらず、ハイレゾファンにもぜひ試してもらいたい逸品だ。
文:折原一也
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。