西部劇、歴史大作、フィルム・ノワールとオールラウンドプレイヤーとして名高いアンソニー・マンの傑作選DVD２！！

『夜のストレンジャー』
アンソニー・マン初期の重要な位置を占めるノワール作品。
南太平洋で海軍に従事していたジョニーがアメリカに帰還する。
彼は軍務についているときローズマリーという女性と文通していたが、帰国後、彼女に会うために手紙の住所を訪ねる。
その館にはローズマリーの母親という老女と召使いがいてローズマリーは外出中だという。
ジョニーは彼女を待つために館に滞在することになる。
館にはローズマリーの巨大な肖像画が飾られており、不気味な雰囲気を漂わせている。
召使いがローズマリーを巡る真相を書いた手紙をジョニーに渡そうとするが、老女に殺されてしまう。
真相を突き止めようと動き出したジョニーの前に、驚くべき真実が明らかになる。
特筆すべきはレジー・ラニングの撮影による映像ヴィジュアル。
大胆なカメラ・アングルやクローズ・アップ・シーンなどがストーリー展開に効果的な緊迫感を与えている。

『必死の逃避行』
ギャングのウォルトからの電話で深夜の倉庫に呼び出されたトラック運転手のスティーヴ。
仕事が倉庫から強奪した毛皮の輸送であることに気づいたスティーヴは、倉庫の警備員にヘッドライトで合図して計画を失敗に終わらせる。
だが、逃げ後れたウォルトの弟が警察に捕まってしまう。
ウォルトのアジトに連れ込まれたスティーヴは、弟の罪を軽くするために自分が主犯であると警察に自首するよう脅迫される。
しかし、スティーヴは隙を見て身重の妻とともに逃亡を図る。

警察からもギャングからも追われ逃げようとする主人公たちの逃避行を描いた本格ノワールで、
アンソニー・マンが初めて本格的に脚本作りに参加し商業的にも成功を収めた作品としても知られる。
インタビューでマンは“演出家として真のデビューを果たした作品”と語っている。想像力をかき立てる独特の視覚的映像力がひときわ秀逸。